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個人事業主/中小企業/大企業それぞれの経理における仕訳入力の実務の違い

今回のキーワード 個人事業主 中小企業 大企業 仕訳 実務 違い

簿記の教科書やインターネットで“仕訳とは”を検索してみると、何となく仕訳がどんなものか分かるかと思います。

でも、「実際の職場ではどのようなことをやるんだろう?」という疑問が残る方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そのような問いの参考になるようなまとめを書きたいと思います。

改めて“仕訳”を今一度確認しましょう

仕訳とは、会計データの1単位のことをいいます。

どんな会社でも、取引をしたときの記録を残さないといけません。その記録は、会計をルールに従って“仕訳”という形で残す必要があるのです。

「伝票」との違いは?

経理部門で働いていると仕訳のことを伝票と呼ぶ方々がいます。伝票という言葉が意味するものは幅広く、取引の内容が記された証憑という意味合いで使われます。

その背景から仕訳を会計伝票と呼び、さらにそれを略されて伝票とされていることがあります。

仕訳=会計データであり、これを集計して決算書を作るのです。

ラーメン屋の仕訳の一例
  • 1,080円のラーメンを売った。代金は現金で受け取った。
現金 1,080円 売上 1,000円
消費税 80円
  • 生麺を1人前だけ仕入れた。代金は仕入先に、後日払うことにした。
仕入 200円 未払金 360円
消費税 160円

「仕訳」そのものの理解を深めたい方は下記リンクが分かりやすく参考になります。仕訳の入力が決算書の作成に繋がっていることが分かりやすく解説されています。

はじめてでもわかる! 経理の仕事(参照:ジャスネットコミュニケーション)

ちなみに上記サイトのジャスネットが運営する「ジャスネットスタッフ」は経理に特化した派遣サービスも運営しています。初心者でも派遣を検討している方は、登録の有力候補にしてよいと思います。

大企業の経理部門が実際に取引している人材派遣サービス2選

企業規模で経理部門の規模で異なる仕訳の実務

個人事業主、中小企業と大企業、それぞれの企業規模や経理部門の大きさによって仕訳の実務の内容が異なります。

個人事業主は税理士にお任せするのがベストです

まずは個人事業主の仕訳入力実務の実態について解説します。人によって2つのパターンに分かれます。

  • 税理士に会計と税務をお任せして仕訳の事務を行わない
  • 自分で会計ソフトを買って仕訳入力を行う

個人事業主の多くは、税理士と顧問契約を結んで、仕訳入力を含む決算と税務申告をすべてお任せしています。月5万円程度の顧問料が払うことができるのであればベストの選択だと思います。

あらゆるパターンの仕訳を間違いなく入力するためには、簿記(会計)の基盤がしっかりしている必要があるからです。

ただし、顧問料が払えない方、経理の理解がある方、自分でやってみたい方もいらっしゃいます。そのような方は、自分で会計ソフトを買って、仕訳入力を行い決算書を作成します。

自分で仕訳入力を行うために簿記を勉強する必要はありますが、個人事業主であれば難しい取引や会計処理が発生しません。仕訳は簡単なものばかりになります。

個人事業主の仕訳入力の実務例
  1. 取引先に向かうためタクシーを使った
  2. 精算したときにレシートを受け取った
  3. レシートには「980円(うち消費税73円)」と記載があった
  4. 事務所に帰ってからPCを立ち上げ会計ソフトに仕訳を入力した
  5. レシートは保管し決算時に税理士に提出する
旅費交通費 903円 現金 980円
消費税 73円

最近は会計ソフトも進化しており、仕訳入力が分かりやすくガイドされています。

ちなみに・・・

仮に企業会計の経験など経理の素養がある方でも、自ら仕訳の入力をしない方もいます。例え自分でできても、お金を払って顧問税理士に任せるという方針です。

これは事業主が本業で利益を稼ぐことに時間を使うべきと考えるからです。言い方を変えれば、委託ができるような事務作業をしている時間があるならもっと稼ぐことに注力するということです。

中小企業は経理部門が仕訳を入力することが多いです

中小企業の規模(従業員数20人以上)であれば、自社の担当者が仕訳を行い会計データを作ることになります。

中小企業といえる規模になっていれば、経理業務を行うためのスタッフを採用している会社もあります。一方、経理だけに1人の人工を割けない企業は、総務人事の仕事と一緒に経理の仕事を担当するスタッフを配置することもあります。

会計システムは、自社で市販の会計ソフトを使う会社もあれば、自社に合ったシステムを開発する会社もあります。

なお、税理士(事務所)に、仕訳の代行入力を委託することは難しくなります。企業としての取引の数や複雑さが増し、単純にレシートや領収書を税理士に渡しても、現場でどのような意味を持つ取引だったのかを判断することができなくなるからです。

経理担当者が取引の実態を把握し、適切に仕訳に反映するスキルが求められています。

中小企業の仕訳入力の実務例
  1. XX商店から消耗品A(324円)、商品B(432円)、C商品(108円)を購入した
  2. XX商店に対する代金は後日払うことを約束している
  3. C商品は社員の一人の私物を立替購入したものであった
  4. 社員には後日C商品代の108円を後日会社に払ってもらう
  5. XX商店から受領した領収書や各取引の証明となる資料は保管しておく
消耗品費(A) 300円 買掛金 400円
仕入(B) 400円 未払金 400円
未収入金(C) 108円
消費税 56円

企業では、会計ソフトを適切に使える人材を会社で確保する必要があります。適切な仕訳は適切な財務諸表を作り、適切な納税へと繋がっていきます。

逆に、しっかりそれができる体制をつくらないと、税務調査で指摘され追徴されたり重加算税を課されることがあります。

大企業は派遣社員やグループ会社に事務を委託することが多いです

大企業や上場企業では、取引の種類や数が膨大になり、難しい取引も発生します。複雑で戦略的な金融取引があれば、それに準じた複雑な会計処理が求められます。

税理士(事務所)や税理士法人に仕訳入力を外部委託することは事実上不可能になります。大企業では取引データの活用と会計業務の事務コスト効率化により自社に最適化された経理部門の体制を整えます。そこで取引の情報に近いところから(もしくはダイレクトに)仕訳の入力を行います。

仕訳入力を大きくパターン分けすると以下のようになります。

  • 定型的な仕訳は会計システムに自動連係(人間不要)
  • 人の判断が必要な仕訳は派遣社員などの事務員が行う
  • 難しい取引は責任のある社員が会計監査人と調整し決定する

通常(日常)の取引や定型的な取引は、システムを利用して自動的に仕訳が会計システムに連携されるような仕組みが組まれています。

しかし人の判断が必要な取引もまだ多く、難易度が高くないものは人件費コストが低い派遣社員や、経理などの間接業務を行うグループ会社に委託することがあります。

立場がに見合った能力が必要になります

派遣社員や一般職の事務員で、仕訳入力の実務を行う方は、仕訳の仕組み(理屈)を理解していることが強みになります。

難しかったり複雑な仕訳を確認する正社員(特にリーダー)は会計知識に加えて関連業務の理解や、関連担当者との調整力が必要になります。総合的に高い経理スタッフとしての能力が求められます。

上場企業や大企業(正確には大会社)は、公認会計士による監査が義務付けられています。

監査に耐えうるレベルの精度での適切な会計処理と財務諸表を作成する必要があります。経理部門は、会社の信用を守り存続を支えるために、組織一体となり高いレベルのコントロールをすることになります。

大企業の仕訳入力の実務例

ここではあまり具体的な取引の例を詳細に解説しませんが、「何だか難しそう」と思って頂ければと思います。

  1. 社員の退職金を人事制度に則したかたちで見積もり計算する
  2. 社員全体の勤務期間に対応する退職金を引当金として計上する
  3. 年金資産の運用収益を預け先の信託銀行と確認し計上する
  4. 1人退職者が出たので退職一時金を支払った
退職給付費用(勤務費用) 100円 退職給付引当金 100円
退職給付引当金 20円 退職給付費用(期待運用収益) 20円
退職給付引当金 30円 預金(一時金支払) 30円

実際には、大企業では様々な取引にそれぞれ対応した担当者を配置しています。知らない人が見たら一見難しそうな会計仕訳でも、その担当者になれば焦点を絞って覚えることができます。

必要以上の心配は要りません。「まじめに責任感をもって取り組もう」という気持ちが大事です。

仕訳の実務が異なっても仕訳の理解は必須の能力

一概に仕訳入力業務といっても、企業の経理のレベルや重要性によって様々な実務のレベル感があることがわかったと思います。

いずれにしても、仕訳は会社の会計の根幹です。経理の基本は仕訳だということをしっかり認識しておきましょう。

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