今回のキーワード 経理 転職 有利 新卒
経理部門での就業経験があると、転職市場において有利になります。
有利というのは、転職市場にある程度の求人があり、それに応募できる資格を備えているということです。
今回は、以下の記事で紹介したメリットの1つとして紹介したものをピックアップし解説したものになります。
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経理経験者は転職市場で有利になる
会計が企業の共通言語であり他社でも通用する
経理はすべての企業に存在し、そこでは簿記(Book Keeping)のルールに従って処理が行われています。
細かいところでは、会計処理について異なる選択をしていることもありますが、基本的な処理の原則は変わりません。
仕事の進め方や作る資料は会社によって異なりますが、それらは会計処理の結果を反映するという点において共通です。1社目で経験した実務は、次の会社でも活かされます。
自社でしか通用しない、自社の商品知識をどんなに覚えても、他社に転職するときは役に立ちません。
会社に属しながら他社でも通用するスキルを磨くことができる経理の仕事は、なんらかの理由で転職を考える際に有利に働きます。
近年の会計業界を取り巻く環境について
クラウド型の会計システムやAI(Artificial Intelligence:人工知能)、EPR(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)といった技術が、経理の仕事を自動化する仕組の開発が進んでいます。
個々の技術の解説は省きますが、徐々に人の手による事務作業が自動化され、その業務について省人化されていくことになります。
新聞報道でも、大手銀行もAIによる業務効率化で人員の削減する計画を発表しました。
するとここで「経理の仕事に人は要らなくなくなるのか」という疑問について論議が起こります。
単純に、なくなる、なくならない、では答えは出せませんし、将来にならないとわからないとも言えます。
ただ、少し丁寧に議論を整理すると、経理に関する単純な事務作業は減少し、経営管理や戦略的な仕事は減少しても限定的だと予想できます。
経理の道は経営のプロフェッショナルへの道に続いています。
新卒のときに将来の転職を視野に入れない方もいるかと思います。私も具体的に転職を想定して就職活動をしたわけではありませんでした。
社会に出て感じるのは、入社した会社の環境の変化次第で、同じ会社で働き続けたいと思うか、転職したいと思うかが変わるということです。
自分ががんばれるかどうかとは関係なく、会社や部署の環境が厳しくなるとどうしても我慢できないことが起こることがあります。
そのとき、自分が望む収入を提示してくれる企業があり、それに応募できる経験があるというは何より心強いことだと感じます。
どのような経験が特に転職市場で優遇されるか
ハイクラスと言われる年収の高い求人の場合
正社員かつ年収の高い企業(大企業)を前提とした就職活動をする場合、評価されやすいキーワードがあります。
- 連結決算の実務経験(連結仕訳から公表用資料作成まで)
- 海外での実務経験(英語での会計実務)
- 法人税等の確定申告(特に連結納税、国際取引のある会社の実務)
- プロジェクト経験(会計関係のシステム導入、IFRS導入)
これらの経験をしている経理経験者は再就職においても非常に強いです。実務経験を数年経ることで身につくスキルは、他社でも重宝されます。
経理と一言でいっても様々な仕事がありますが、まずは選り好みせず一つ一つの業務を習得していきましょう。いずれ上記のような仕事を希望し、自分の市場価値を高めて下さい。
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経理の事務作業や派遣の求人の場合
まずは仕訳処理の理解です。簿記3級の勉強で理解できる仕訳の貸借や精算表の作成が理解できれば、簡単な事務作業ができるようになります。
私は経理で派遣労働者を受け入れ、採用のための面接をしています。そのときに気にするのは、まずは人物像です。一緒に働いていけそうかということが最も重要です。
次に、職務経歴について確認をしますが、見ているポイントは“どんな会社でどんな経理実務の担当をしていたか”ということになります。
その内容について質問をしたとき、「簿記の基本が分かっていそうだな」「会計の実務をやったことがあるな」と感じたときに採用を決めます。
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経理の経験が転職を有利にする まとめ
経理は転職がしやすいということを解説しました。
覚えておいて頂きたいのは、まずは“経理の経験をしている”ということが重要になり、それが転職活動を有利に進めるポイントになります。
まずは経理の世界に足を踏み入れてみましょう。