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大企業の経理部の仕事とは|6つの機能と2つの役割

今回のキーワード 大企業 経理 仕事内容

私は、新卒で上場企業の総合職として入社し、経理部として一通り部内のローテーションを終えました。また、他社の経理部と情報交換する機会もありますので、ここでは一般的な大企業の経理部門 の仕事について説明します。

経理の根幹を担う6つの機能

以下の6つの機能は、企業の組織編制によって、部やグループとして分かれていたり、複数の機能で一つのグループになっていたりと様々です。しかし、いずれの企業でも経理部門が担う役割として基本的に必要なものになります。

原価計算

製造業(メーカー)の場合、期中の売上に対応する原価や、期末に残った在庫の金額を計算する必要があります。これを原価計算といい、利益を計算するうえで重要な役割となっています。

損益計算書の作成に必要な最低限の計算はもちろん、より細かく原価を分析し、どの商品が儲けていて、どの商品が不採算なのか把握するための基礎資料を作ります。多くの大会社では、原価計算用のシステムが導入されており、その設定(システムに登録する内容)等により計算方法を定義しています。

就職活動にあたってのポイント

原価計算は、メーカーの商品開発やコスト低減(効率的にモノを作る活動)に不可欠で、企業にとっての生命線です。モノを作るためにかかった様々なコスト(原料, 人件費, 設備費など)を、どの商品の製造のために使われたかを合理的に考えます。その考え方次第で結果も変わるので、担当者の腕の見せ所となります。業務の性質から、工場や生産部門の部署ともコミュニケーションを取りますので、現場の情報をいかにキャッチアップできるかが重要です。

  • 企業のモノ作りを数字で支える重要な役割です。勉強した経験があると説得力が増します。

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単体決算

単体(個別)決算とは、ある一つの会社の会計処理を行い財務諸表を作成することです。会社法の取り決めにより、損益計算書、貸借対照表、株主資本等計算書を作成する必要があります。

就職活動にあたってのポイント

単体決算を担当すると、様々な会計の論点に触れることができます。経理の実務を初めて担当する際にも、勉強になりますし、いい経験になります。1年の間に、月次決算、四半期決算、年度決算でどのような実務があるのかは、実際に経験することで身につくことも多いです。一社の経理を取りまとめることで、人件費、固定資産、金融収支、税金等、それぞれは難しい処理をしている項目もおおよそその担当者が何をしているか把握できます。

→経理部の基礎を全体感を持って学べるので、就職活動をする際にも“入社してからからやりたいこと”として受け答えしやすいと思います。

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連結決算

連結決算とは、グループの連結子会社等を合算し連結財務諸表を作成することです。上述の単体決算が、グループの各社毎に行われその後に処理をすることになります。 上場企業であれば、取引所に規定に従い3ヶ月毎に決算を公表する義務があります。

就職活動にあたってのポイント

連結決算は、単体決算が処理されたあとにその財務諸表を収集して合算します。そのため、経理の基本的な知識がないと、集まった財務諸表に対して適切な処理ができません。初任配属から連結を担当することは少ないし、現実的には難しいと思います。ただし、上場企業の場合は外部に報告する数字や会社の情報に直接携わる、やりがいのある重要な業務になります。

→グループ経営に欠かせない仕事です。その企業の“連結決算”に言及すると評価してもらいやすいです。ただし、初任配属で強く希望するのは慎重に。

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請求・回収業務

会社は商品やサービスを売り上げたあと、その代金を顧客から回収します。営業部門がその努力により売上をつくっても、その対価としてお金を振り込んでもらえなければ、会社は損害を被ります。日々の取引の中で増減する代金(売掛金)を管理し、遅滞なく回収できるよう営業部門とコミュニケーションを取ることが求められています。

就職活動にあたってのポイント

請求・回収業務を行うスタッフは、実際には一般職や派遣社員が行うことが多いです。ある程度は事務的な仕事であり、定型的な仕事であることが多いことによります。ただし、部署間の調整や、業務を効率化するリーダーも必要ですので、経理の基礎的な知識がある社員が取りまとめると組織がより充実します。

→代金回収は企業活動の生命線です。一方で、実務は経理としての専門性はやや低くなります。

財務

会社の現金,、預金が将来にわたりどのような需要があるかを把握し資金繰りを行います。資金が余っているときは運用し、足りなくなるときは調達します。企業が資金を調達する方法は様々で、銀行借入, グループ企業からの借入, 社債の発行と、それぞれでも手法は何パターンもあります。財務の業務は、会社の規模や業種によって、財務部として経理部とは別に独立している会社もあります。

就職活動にあたってのポイント

資金は会社の運転に必要な血液とも例えることができます。それを必要なときに必要な分だけ供給して循環をコントロールする役割は責任も大きいです。銀行との窓口にもなるので、正確で真面目な性格と報告・連絡・相談が適切にできることをアピールできると強いです。社内外の調整に気を配ることが多い部署といえます。

→仕事の責任感は格別ですが、それに挑戦したいと言いきることができれば希望すべきです。

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税務

企業が払う税金には様々な種類がありますが、主なものは、法人税、住民税、事業税、消費税です。消費税については、日々の生活のなかで触れていますが、法人税等は馴染みがない方が多いでしょう。 会社はその利益や事業規模に応じて、国や地方自治体に納税しなくてはなりません。税金を計算し、確定申告をする仕事です。

就職活動にあたってのポイント

税務は、企業規模や方針次第で、どこの程度を税理士法人等に任せるかが違います。しかし、必ず税金に関する決算や申告の窓口となる人員は確保されています。税務知識は外部の税理士に頼ることはできても、社内の取引の実態確認や情報収集は社内の人間にしかできないからです。いかに効率的で正しい納税ができるかがミッションとなる仕事です。

→経理経験がないと難しい面もありますが、将来担当したいと希望するにはおすすめの仕事です。しっかり取り組むことで働きながら税金の勉強もできますので充実感があります。

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今後もより求められる2つの役割

上記6つの機能のほかに、組織が作られることは少ないのですが、経理部門の人間が果たすべき役割があります。実際には社長(CEO)、財務担当役員(CFO)が直接行ったりそれに近いスタッフが行うことがあります。

IR

IRとは、Investor Relations の略で、企業が株主などの投資家に対して行う情報提供などの広報活動のことをいいます。

IRとは・意味(グロービス経営大学院HPより)

説明を読んでも具体的な仕事内容がわかりにくいですね。一般の人の目に見える代表的な企業のIR活動は、会社の公式HPに[IR]というタブが設けられていて、そこで幅広い情報公開をしています。その他に、証券会社・機関投資家向けに訪問し、会社概要や決算の概要を説明します。特に投資家は、国内だけでなく海外にもいます。私は出張でアメリカ、ヨーロッパ、世界の主要な都市で説明会に同行しました。

IRを適切に行い、理解のある株主に自社の株を保有してもらえれば、安定した経営に繋がります。敵対的買収から会社を守るためにも、有効な手段だと考えられます。

株主還元

自社の株主に対し、いくらの配当を出すかを取り決める政策を立案します。また、株式市場にある自社の株式を買うことで、既存の株主が持っている1株あたりの価値を高めることをすることがあります。これらに代表される株主還元に積極的な企業は、株主には好意的に受け止められます。

 「6つの機能と2つの役割」まとめ

大企業の経理の機能を、大きく分けてまとめました。具体的なイメージがつかめない方もいるかもしれませんが、ある程度以上は実際に職場で理解すればいいことです。ただし、就職活動するうえで、企業経理の概要を知っていることは大変有利です。この記事が楽しく働くイメージを持つ一助になれば幸いです。

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