今回のキーワード 就職活動 経理部 配属 準備
事務系の就職活動で、経理を志望する人はどのような事前準備をして本番に臨めばいいのでしょうか。そんな疑問に答えるため、大企業の経理部で働くサラリーマンの目線でアドバイスを書きたいと思います。
3つの事前準備をして経理部配属をものにしよう
事前に行うべき準備は、簡潔にまとめると以下の3つです。
- 経理に配属される可能性のある会社・採用選考を“見つける”
- 自己分析・エントリーシート・面接のレベルを“上げる”
- “経理に興味がある”ということが客観的に分かる経歴を“作る”
私が大企業の経理部で働くために、就職活動で行ったことはこれらに集約されます。
一つ一つ、具体的に何をすればいいのかを解説します。
1.経理に配属される可能性のある会社・採用選考を“見つける”
1つ目ですが、これが一番難しいかもしれません。
新卒で経理部に配属される人は、事務系(文系)の採用者の総数から比べると非常に少ないです。
どのような企業の選考を受けるべきかという話になりますが、以下の記事で整理をしました。
【関連記事】新卒で経理部に配属される企業は|3つに分類した業種で整理
記事の要約は以下の通りです。
- 経理をやりたいのであれば優先してメーカーの選考を受けよう
- エントリーシートや面接といった選考の場でも経理志望を伝えよう
- どんな業種でも例外となる企業はあるので余裕がある限り募集要項を確認しよう
地道な作業にはなりますが、早い段階から興味のある企業の募集要項の確認、説明会の参加、OB訪問の実施をしましょう。
ここが曖昧なままで、経理志望者として受けるべき企業がリストアップされていないと、選考が始まったときに痛い思いをします。
まさに痛い思いをしたのが私です。
何となく「優良企業っぽいな」という理由でエントリーした会社がいくつかありました。しかし、選考に入ると経理を志望する私のPR内容と企業の求める人材像がマッチしていないと感じることになりました。
自分でも違和感に気付くくらいなので(笑)、当然選考も落ち、無駄なことをやってしまったなと反省しました。
自分のPR内容で選考で勝負できる企業はほかにもあり、もう少しそのような企業をエントリーしておけばよかったと思いました。
つまり“徹底して”自分を活かす就職活動をするべきなんです。
経理を志望する場合、経理志望がPRとして受けれられる会社を選ばなければ、あなたと企業の双方がWIN-WINになることはありません。相思相愛になれる可能性が高い企業を受けましょう。
2.自己分析・エントリーシート・面接のレベルを“上げる”
経理を志望してもしなくても、就職活動の基本的な自己研鑽を怠れば内定は取れません。
逆に、自己分析・エントリーシート・面接の準備をし、それぞれのレベルを上げれば希望した企業への内定はぐっと近づきます。
2019年卒の就職活動生であれば、情報解禁した春からは勝負の時期です。
質の高い自己PRを作り、エントリーシートの提出数を増やしましょう。選考における合否はそれで7割決まります。
残りの3割は面接の上手さですが、話す内容や聞かれる内容は、自己PRやエントリーシートの中身になります。運よく面接に進んだとしても、事前に提出した文書の内容が悪ければ、挽回するにしても限界があります。
【関連記事】新卒 総合職 経理|エントリーシートや面接の準備をする
【関連記事】新卒 一般職 経理|エントリーシートや面接の準備をする
3.“経理に興味がある”ということが客観的に分かる経歴を“作る”
選考の合否を決めるのは、その学生の自己PRや志望動機がほかの学生より説得力があるかをどうかです。
面接官の立場になって考えたとき、選考を受けに来た学生に「経理を志望します」と言われてまず確認したくなるのが、どれだけ本気かということです。
志望度合いやその本気度合いは、客観的に分かる経歴を伝えることで示すことができます。主観的な表現でどうアピールしても、聞いている側は評価できません。
GOOD | 過去・現在の実績 | 数字や固有名詞等の具体的な表現 |
BAD | 未来の努力や予定 | 「とても・かなり」等の抽象的な表現 |
(悪い例)今後、がんばって経理の勉強して企業の経営管理に貢献したいです。
(良い例)現在、会計学のゼミに入っていてXXを中心に勉強しています。簿記の基礎は分かっています。
上述したとおり、「今後がんばります!」で選考を通るのは難しいです。ただ、本当にアピールできる経歴がないという方に向けたアドバイスがあります。
それは“経歴を作ってしまう”ということです。もちろん嘘をついて経歴詐称することを言っているわけではありません。
今すぐ何か(以下に記載します)に取り組めば、それは一つの成果です。経理に興味を持ちアクションを起こしているという事実は、十分アピールになります。
具体的な経歴の内容をアドバイスすると、以下の通りです。
会計を勉強をしていることがわかる経歴
これは具体的に列挙できるものが明確です。複数合わせ技でのアピールがおすすめです。
- 日商簿記検定(2級)・・・3級しか合格していなければ2級は勉強を開始よう
- 会計の入門書・・・1冊買って読んでよう(本のタイトルを覚えておくこと)
- 学部/ゼミ・・・経営/会計/経済の関係であれば内容を簡単に説明できるようにして
【参考】圧倒的な差に繋がる就職活動のための 簿記3級 簿記2級
経理の職場に興味があるということがわかる経歴
私は、就職活動が終わった後に、入社後の勉強を兼ねて税理士事務所でアルバイトをしました。
後になって思いましたが、このような経験を就職活動前からしていれば、最高のアピールになったでしょう。
「興味を持つ」⇒「具体的なアクションを起こす」⇒「実際に経験している」
これほど他の学生と差別化できる強みはないでしょう。
私が探した募集は、経験不問の簡単なもので、時給が特段高いものではありませんでした。それでいいと思います。学生であり難しいことはできないので、無理して専門性の高そうな求人にチャレンジする必要はありません。
丁寧に準備すれば内定は出ます。ようこそ、経理の世界へ。
もう10年近く企業で経理の仕事をしていますが、様々な種類の業務がありどれも会社経営に直結していてやりがいがあります。
就職活動はやることがいろいろあるなぁと感じる面もあるかと思いますが、やった分だけダイレクトに結果に結びつきます。やった分が他の学生との差別化になります。
ぜひアクションを起こして内定を勝ち取って下さい。
【関連記事】大企業の経理部の仕事とは|6つの機能と2つの役割
結局は自分が好きになれる仕事であれば、楽しみながらがんばれます。
経理の大変な面、難しい面はあるにせよ、きっと好きになれる、胸を張れる職業だと思います。ぜひ希望してみて下さい。