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新卒で経理部に配属される企業は(3つに分類した業種で整理)

今回のキーワード 新卒 経理部  配属

新卒で就職活動をする方のなかには、 営業ではなくそれ以外の職種で働きたいと考える方もいるでしょう。私は、新卒で上場企業の総合職として入社しましたので、経理を志望する方向けに、選考を受けるべき企業を整理しました。

経理志望者を取り巻く新卒の就職活動での環境

新卒でも経理を軸に就職活動ができる

私は、大学で経営学部に在籍していました。学部で講座が用意されていたり、親の勧めもあって、簿記や公認会計士といった資格試験の勉強をしていました。

会計士試験には合格できずに諦めたのですが、その経験から経理・会計といったものに興味を持ちました。(試験不合格ながら笑)この分野は自分に合っているかもしれないと感じたんですね。

そこから、就職活動は経理で働くことを前提に進めていきました。経理に関われそうな企業のなかで、エントリーしていきました。

【関連記事】新卒で経理を志望したトミーの就活~就活スタート編~

結果的に内定した企業で、今も経理部で働いています。

それでもマイノリティであり選考を受ける企業を間違えてはいけない

私は運よく内定した企業で、初任配属で経理となりましたが、先に頭に入れておくべき前提があります。

事業活動を直接担う営業や商品開発といった部署が企業の根幹(メイン)であり、経理などの管理部門は間接業務(サブ)ということです。人員の人数比もこれに準じています。

企業は、営利を目的とした事業(ビジネス)を営んでいます。例えば、靴メーカーであれば靴を作って売ること、英会話教室なら講師を雇って生徒に教えること、といった利益を生み出す活動をしている部署の仕事です。

間接業務を軽視するわけではないのですが、採用する側は基本的に、事業を直接担当している部署で働く人材を探そうという目線で志望者を見ています。

残念ながら、新卒から経理を志望する人材を求めていない企業もあるということです。

選考を受けるべき企業を3つに分類した業種で整理

前置きが長くなりました。

では、企業を3つに分類し、経理を軸とした就職活動がやりやすい順に並べます。

業種分類おすすめ順
  1. メーカー ⇒◎やりやすい
  2. サービス・インフラ・商社 ⇒〇可
  3. 金融・マスコミ・百貨店・小売・IT・ソフトウェア ⇒×難しい

私は、経理を希望しながら就職活動をするのであれば、「1.メーカー」の企業のなかから選考を受けることをお勧めします。

業種によって、経理という職種の位置付けが違います。それが、新卒の採用活動にも影響しています。以下でそれぞれについて解説します。

1.メーカーの場合

管理会計はメーカーの生命線

メーカーは、製造会社のことを示します。モノ(製品)を作る会社です。メーカーを1番におすすめする理由は、事業活動における経理の重要性が高いということに他なりません。

メーカーの経理は、製品を作るのにいくら掛かっていて、いくらで売れば儲かるのかを計算します。適切な計算で金額が把握できていないと、ビジネス自体が上手くいかなくなってしまいます。

メーカーは、比較的、優秀な経理部員を育てることを重要視しており、若い段階から経理を学ばせる重要性を認識しています。採用活動においても、その点を考慮してもらいやすいと言えます。

【関連記事】経理の面白さ(原価計算編)|仕事内容の理解と志望動機の参考に

配属は希望通りになるとは限らないが希望は出せる

おすすめと言いながら現実を伝えるのは心苦しいのですが、すべての会社で希望すれば確実に希望する部署にいける訳ではありません。冒頭の前提で書いたとおり、会社全体の人数における経理部員の人数は多くないのです。

企業の採用方法は2種類あります。

「総合職として採用して入社後に配属先を決める企業」「営業や経理、法務など職種ごとに募集している企業」です。前者が多数、後者が少数です。

メーカーの多くは、主に事務系採用(文系と一部理系)、研究職・技術職採用(理系)のように、新卒の募集要項が職種別に細かく分かれていません。経理を希望して入社しても、配属先が営業部門になるということも十分にあるということです。

ただし、新卒の事務系(文系)7割は営業職に配属されているのです。

文系学生の大部分がイヤでも「営業」に配属されることを知っているか?(DIAMOND ONLINE より)

例として、私の働いている会社の新卒採用の総合職の配属先の実績を記載しておきます。

単体で従業員数1,000人規模の製造業を営む会社です。

 総合職 営業部門 経理部門 ほか事務系 研究/開発 合計
X1年採用 17人 1人 2人 8人 28人
X2年採用 16人 2人 1人 10人 29人
X3年採用 12人 2人 1人 6人 21人

こうしてみると、やはり事務系総合職の大半は営業として配属されているのがわかります。これを見ると、経理を希望してもその通り配属されるか不安になると思います。

しかし、結局メーカーが狙い目です上述した通り、モチベーションのある将来の優秀な経理マンとなる人材がいれば、採用したいというニーズが存在するからです。

心配性な方は…

行きたい企業に、新人の経理部配属がありえるかが知りたい場合、確実な方法があります。

会社説明会やOB訪問のときに「経理を希望しているのですが、毎年何人くらいの新人が配属されるのでしょうか?」と質問してみるということです。

その会社の社員に直接聞けば、同期が何人程度でそのうち経理に配属された人が何人いるかはすぐに教えてもらえます。

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2.サービス・インフラ・商社 の場合

これらの業種では、経理志望を掲げての就職活動ができる企業とできない企業が混在しています。興味のある企業ごとの募集要項を都度確認していきましょう。

ただし、基本的にはメーカーと同じで、事業活動を行う部署に配属させることを前提にした、総合職を募集しているところが大半となります。

サービス・インフラ

インフラのなかでも、普段の生活のなかで馴染み深い電気・水道・ガスなどの会社は、入社後に社内の部署をローテーションさせることでまずは会社に精通さようという方針があるようです。

商社(総合商社・専門商社)

商社といっても、総合商社と専門商社があり、規模もそれぞれです。職種別採用をしている企業はほぼ見当たりませんでした。

ただし、メーカーと同じで初任配属から経理ということもあります。

規模の大きい大手総合商社は、以下のブログの記事が参考になりました。非常に競争の激しい選考を突破できる学歴や能力が必要になりますが、新卒の本社経理部門配属も想定できるようです。

総合商社の配属リスクはマジでやばい(商社マンの就活支援日記より)

大手総合商社は、非常に年収が高い企業ばかりなので夢がありますが、「経理がやりたい」と言って内定をとるのは至難の業かと思います。

3.金融・マスコミ・百貨店・小売・IT・ソフトウェア の場合

最後に、経理を軸として就職活動をするのに不向きな業種について解説します。

金融機関(銀行・信託・証券 等)

お金が関係しそうな金融機関ですが、基本的には経理・会計(=Accounting:アカウンティング)ではなく、金融(=finance:ファイナンス)を扱う会社です。

金融機関の募集要項を確認すると、本業である事業(銀行であれば銀行業務)を前提に採用がなされていることがわかります。 都市銀行(メガバンク)、地方銀行、証券会社の社員の方とお話しましたが、経理部門に新卒で配属されること極まれのとのことです。 まずは金融の基礎を現場から学ぶことを求められています。

金融機関で経理部門を希望し入社するのは難しいです。

マスコミ・百貨店・小売・IT・ソフトウェア

これらの業種も、基本的な企業側の考え方は同じです。これらの業種は、基本的に初任配属は“現場”です。わかりやすい例えを挙げると、百貨店企業で言うと実際の店舗に配属されるといった感じです。初任から本社の間接部門に配属されることは極まれです。

(おまけ)会計事務所・監査法人・税理士法人・コンサル業界の場合

会計や税務に関する専門的な知識を持ち、顧客に対してそのサービスを提供する会社があります。

確実に経理業務に従事することができます。経理で働きたいと考える方は、就職先の候補として考えることがあるかもしれません。以下は私の経験と公開されている情報を踏まえた就業する際の要約です。

  • 監査法人・・・公認会計士の有資格者を採用。BIG4とそれ以外でも待遇に差がある。
  • 税理士法人・・・税理士の有資格者を採用。BIG4とそれ以外でも待遇に差がある。
  • コンサル業界・・・会計関係を扱う会社も多い。 残業が多く高給のお場合が多い。
  • 会計事務所・・・資格がない未経験でも採用はある。残業が多く薄給の場合が多い。
  • 税理士事務所・・・個人事務所が多く正社員でも必要な資格の有無や待遇は事務所次第。

私は、上記のいずれの会社の内情を少なからず知っていますが、会計士・税理士の資格がない場合、正社員でこれらの会社に入社することはお勧めしません。経理知識の習得のために入社しても、労働環境や待遇が悪いといったリスクが高いと感じます。

難易度の非常に高い国家資格取得を前提と考えるべきです。

経理に配属される可能性のある企業選び まとめ

最後に、簡潔なまとめとアドバイスを書きます。

企業選びまとめ
  • 経理をやりたいのであれば優先してメーカーの選考を受けよう
  • エントリーシートや面接といった選考の場でも経理志望を伝えよう
  • どんな業種でも例外となる企業はあるので余裕がある限り募集要項を確認しよう

無数にある企業求人のなかから、勤務地や給与水準の希望と折り合いをつけながら選考を受ける企業を決めていく作業は、なかなか骨が折れますよね。

少々地道な作業になりますが、しっかり考えて探した分だけ、あなたにとっていい結果に結びつきます。後になって慌てるより、早めに手をつけて準備していきましょう。

準備についは、以下の記事にでまとめています。

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